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アート作品、見せる?見せない?障害のある方が自分らしい向き合い方を見つけるヒント

Tags: アート作品, 創作活動, 自己表現, 作品発表, アートとの向き合い方

アート活動を続けていく中で、ひとつ気になることかもしれません。それは、ご自身で作った作品を「他の人に見せるかどうか」ということです。作品を見てもらうことには、嬉しい変化もあれば、少し気恥ずかしさや不安を感じることもあるでしょう。

アート活動を楽しむ上で、作品を人に見せるか、それとも大切にしまっておくか、どちらが良いということはありません。ご自身の気持ちや状況に合わせて、自分に合った向き合い方を見つけることが大切です。

この記事では、アート作品を「見せる」こと、「見せない」こと、それぞれの意味や、作品との自分らしい向き合い方を見つけるためのヒントをご紹介します。

作品を「見せる」ことから生まれること

作品を他の人に見せることは、少し勇気がいるかもしれません。しかし、見せることで得られるものもたくさんあります。

例えば、ご自身の作品について、先生や他の参加者、ご家族など、誰かに見てもらうことで、思いがけない反応があったり、「これってどうやって作ったの?」と会話が弾んだりすることがあります。作品を通じて、普段とは違う形でのコミュニケーションが生まれるきっかけとなるのです。

また、他の人の目を通して作品を見ることで、ご自身では気づかなかった良さや新しい発見があるかもしれません。「この色合いが好きだな」「この部分は勢いがあって面白いね」といった言葉は、作品作りの励みになり、自信につながることもあります。

アート教室によっては、年に一度の作品展や発表会を開催しているところもあります。そうした場で作品を発表することは、目標設定になり、完成させたという達成感を味わう貴重な機会となるでしょう。

作品を見せることは、ご自身の内面を表現し、他者とのつながりを深める一つの方法となり得ます。

作品を「見せない」ことの意味

一方で、作品を人に見せることに抵抗がある、あるいは「見せない」ことを選ぶのも、ご自身の自由な選択であり、そこにも大切な意味があります。

作品作りの最も基本的な喜びは、自分自身のために表現することにあるかもしれません。誰かの評価を気にすることなく、心の中にあるイメージや感情を、ただひたすら形にしていく。そうした、純粋な創作活動は、ご自身の心の声に耳を傾け、内面を整理する時間となります。

見せないと決めることで、より自由に、より大胆に表現できることもあります。失敗を恐れず、思いつくままに手を動かすことで、予期せぬ面白い作品が生まれることもあるでしょう。他者の目に触れることを前提としないからこそ可能な、解放された創作のかたちです。

また、作品は必ずしも完成させなければならないものではありません。制作途中のものや、ご自身の記録として大切にしまっておくことも、立派な作品との向き合い方です。過去に作った作品を見返すことで、ご自身の成長を感じたり、その時の気持ちを思い出したりすることもできます。作品は、ご自身の時間や経験の証として、見せない形で傍に置くこともできるのです。

「見せない」という選択は、ご自身のペースやプライバシーを守りながら、アート活動を心地よく続けるための大切な方法の一つです。

自分らしい作品との向き合い方を見つけるためのヒント

作品を「見せる」「見せない」のどちらかを選ばなければならない、ということはありません。状況に応じて両方の選択肢を持っていたり、少しずつ変化していったりすることも自然なことです。

ご自身にとって最も心地よい作品との向き合い方を見つけるために、いくつかヒントをご紹介します。

まとめ

アート作品を「見せる」こと、「見せない」こと、どちらにもそれぞれの大切な意味や価値があります。どちらの道を選ぶとしても、それがご自身が心地よくアート活動を続け、そこから喜びや成長を感じられる方法であることが最も重要です。

他者の目や評価を気にしすぎず、ご自身の内なる声に耳を傾け、作品との自分らしい、豊かな関係を築いていくことが、アート活動をより深く楽しむための鍵となるでしょう。

アートは、ご自身の心を映し出し、ご自身の世界を広げる素晴らしい手段です。作品との向き合い方も、その楽しさの一部として、ご自身のペースで探してみてください。